※12月20日18時までの情報・予想です。変更等ある場合がありますので、レース直前にご確認ください。
レース情報
2025年12月21日15:40発走(11R)
阪神競馬場
朝日杯フューチュリティステークス GⅠ
サラ系2歳オープン(国際)牡・牝(指)馬齢
芝1600m(右)14頭
朝日杯フューチュリティステークス過去レース傾向と分析
近年の朝日杯FSは決め手を持っている馬が来ている傾向にある。
実際、過去10年で3着に入った馬で、前走で上がり最速もしくは2番手を記録していた馬は30頭中26頭。朝日杯FSまでに上りのタイムで4番手以下を記録して3着以内に入った馬は30頭中6頭しかいない。ただ、この6頭のなかでも5頭は朝日杯FSまでのレースで上がり最速を記録している。残りの1頭も上がり2番手は記録しているので、決めてを持っている馬が来やすいレースであるのではないか。
また、過去10年で前走4着以下だった馬は30頭中1頭と2歳戦なので早い時期から馬体が完成している馬が来る傾向にあるのでは。
注目馬一覧
| ◎本命 | 7枠12番 | アドマイヤクワッズ | 坂井瑠星 |
| 〇2番手 | 3枠3番 | エコロアルバ | 松山弘平 |
| ▲3番手 | 5枠8番 | カヴァレリッツォ | Cデムーロ |
| △4番手 | 7枠13番 | リアライズシリウス | 津村明秀 |
| △5番手 | 6枠10番 | ダイヤモンドノット | Cルメール |
| △6番手 | 5枠7番 | コルテオソレイユ | 川田将雅 |
レース展開予想
スタートからカクウチが先頭に立ち、リアライズシリウス、ダイヤモンドノットがついていく展開になるはず。ただ、どの馬も必ず先頭に立たないといけないというタイプではないので、ペースはスローになるはず。もしかすると超スローペースになる可能性もある。
そして後ろはごった返すことになり、アドマイヤクワッズやカヴァレリッツォなどは先頭から4~8番手くらいに収まるはず。その後ろにエコロアルバなどが続く。馬群は縦長にならず凝縮していて、先頭から最後方まであまり差はないのでは。なので、枠が内側の馬は馬群内側、外枠の馬は馬群外側のポジションでレースを進めることになるはず。
1つ目のコーナーでは大きく動くことはないはず。ただ、コーナーの曲がりはゆったりしていて緩やかに下っている。これを利用して、後ろの馬が下り坂を使ってスピードは上げてくるはず。ここから最終コーナーで馬群はさらに凝縮する。
直線に入って前にいた馬と、後ろから来た馬が横に広がっての追い比べになる。まずはカクウチ、ダイヤモンドノット、リアライズシリウスが馬群から抜け出して先頭争いになる。その後ろ、馬群外目からカヴァレリッツォ、アドマイヤクワッズが上がってくる。さらにその後ろから差がなくエコロアルバが突っ込んでくる。
直線残り約200m、坂の手前までにカクウチの脚が鈍り、ダイヤモンドノット、リアライズシリウスが抜け出して2頭の競り合いになる。ただ、差があまりなくアドマイヤクワッズ、カヴァレリッツォ、エコロアルバなどが迫ってくる。残り200mを過ぎて先頭2頭にアドマイヤクワッズ、カヴァレリッツォ、エコロアルバなどがさらに迫ってくる。
残り約200mからの坂で、リアライズシリウスの脚色が鈍り始め、先頭がダイヤモンドノットに1頭になる。ただ、後ろからはほとんど差がなく追込勢が追い上げてくる。
坂を上りダイヤモンドノットの脚色も少し鈍る。そこにアドマイヤクワッズ、カヴァレリッツォ、エコロアルバが併せる形で3頭襲い掛かってくる。
坂を上りきって、最後ダイヤモンドノットの脚がいよいよ止まる。そこに3頭が迫り並ぶ間もなく抜いていく。最後約50mで先頭を3頭で争う。
最後は3頭の中から一番自分の競馬ができたであろうアドマイヤクワッズが少し前に出て1着。2着には前にポジションを取った分、最後にキレ負けしたカヴァレリッツォ。3着は後ろから外を回されてきて脚を使った分、伸びなかったエコロアルバ。4着は逃げたが最後の最後で脚色鈍ったダイヤモンドノット。5着は同じように逃げたリアライズシリウス。6着以下は混戦になる。
上位の5頭は力が抜けていると思っている。ただ、力の差はほとんどなく、どの馬にも展開次第でチャンスがあるように感じる。また、どの馬にも大きくはないが不安点がある。
ただアドマイヤクワッズ、エコロアルバ、カヴァレリッツォの3頭は今までのレースぶりを見るに、1着の可能性は他の馬よりも高いと思っている。
今回は14頭立てとフルゲート割れしたので、オレンジ帽やピンク帽の外枠からの発走だからと言って、大きく割り引く必要はないはず。
決め手がある馬が有力馬に多いので後ろからの馬が1~3番手になっているが、基本的には前のポジションを取れる馬にチャンスがあるので、各馬ポジションをどこに取るかが大きなポイントになる。
また日曜日は雨予報になっていて、馬場状態などが前日や当日の午前午後でも変化する可能性は十分にある。それ次第で枠や展開での有利不利が変わってくるので、開催当日の馬場状態やレース傾向など、その日の情報を朝日杯FSの直前までチェックすることが必要だと思う。
注目馬解説
◎本命 7枠12番 アドマイヤクワッズ 坂井瑠星
デビューから2連勝。前々走の新馬戦は9番手の位置で最後の直線を迎えると、後方から鋭く伸びてきて、ゴール手前で逃げる馬をかわして1着で新馬戦勝利を飾った。前走は直線でカヴァレリッツォとの叩き合いになったが、アタマ差での1着だった。このレースでは3着以下を大きく引き離していて、この2頭が能力的に抜けていた。
末脚も強烈なものを持っていて、デビューからの2戦はどちらも上がり最速を記録している。さらに前走はレコード決着だったが荒れた内側の馬場を通ってきてのタイムで、馬場状態が悪くなっても台頭できる能力があると思う。また決め手を持っている馬が3着以内に来ている近年の傾向に当てはまる。
前走のような競馬ができれば、ここでも1着になれるのでは。
ただ、前走レコード勝ちの反動がどれだけあるかは気になる。荒れた内側に進路を取っていたので、見た目以上に疲れが溜まっていてもおかしくない。もし取り切れていない疲れなどのダメージがあれば、前走のように末脚が伸びない可能性はある。
理想は当日の馬体重がプラスで出てくることのように思うので、どの馬にも言えるがこの馬に関しては、特に当日の馬の気配を必ずチェックした方がいい。
〇2番手 3枠3番 エコロアルバ 松山弘平
前走の末脚は強烈だった。レース中は鞍上だった坂井騎手が終始馬を前に促しながら進んでいた。しかし、なかなか馬が進んでいかずに後方で直線を迎えた。直線残り約300mで坂井騎手がムチでスイッチを入れると、それまでの走りが嘘のような末脚で最後方から前の馬をすべて抜き去っていた。まだまだ馬が幼く真面目に走っていないようなので、底が見えていない感じがする。もしかしたらとんでもない能力を秘めている可能性はある。
しかし真面目に走っている感じがないので、今までのように馬の気分次第で走っていると、今回のメンバーには後れを取る可能性もある。
また坂井騎手があれだけの勝ち方をしているエコロアルバではなく、アドマイヤクワッズを選んでいるのは、いろいろと大人の事情が背景にあるとはいえ気になるところ。どちらも勝てる可能性があるなら、勝てる可能性が高い方を選ぶはずなので、今回はそう言った面からみて簡単にはいかないかもしれない。
さらに出足の遅いこの馬は外枠からスタートしてポジションを確保する方が向いていると思うが、内目の枠に入ったことも気になる。スタートで遅れて馬群に包まれ、最後に前が詰まって追い出しが遅れる可能性が高くなった。かといって外に出すために後ろに行くと、いくら素晴らしい末脚を伸ばしても最後先頭に届かない可能性もある。
どういった展開になり、どのようにレースを進めるのかで結果は大きく変わってきそう。
▲3番手 5枠8番 カヴァレリッツォ Cデムーロ
前走はアドマイヤクワッズと直線での叩き合いで一歩遅れたが、レコード決着だったことと3着以下との差を考えると、この馬の能力も相当のモノがある。
前走はスローペースだったが、前のポジションを取って競馬をできたことは、今回の競馬に活きてくるはず。前のポジションをとっても上りの脚は使えるので決め手もある。レコード決着だったが差はほとんどなく、展開1つで前走との着順は入れ替わる気がしている。
騎手もCデムーロ騎手が継続して乗るのは大きいと思うし、前走よりも良い競馬ができるのでは。
今回は上位勢の力の差はほとんどないと思うので、1着の可能性まである。
ただ、この馬が一番能力を発揮できる距離は芝1800mからだと思っている。近親の馬を見ても2000mくらいから走っている馬が多い。今は能力で適性をカバーしているように思うが、前走にプラスして強いメンバーが他の路線から入ってきている今回だと、今までよりは確実に厳しい戦いになるような気がしている。
△4番手 7枠13番 リアライズシリウス 津村明秀
GⅢ新潟2歳Sの勝ち馬。その際のメンバーはのちの重賞勝ち馬、重賞好走馬、1勝クラスをレコードで勝った馬など強いメンバーが揃っていたように感じる。上位の力が拮抗している今回なら出番の可能性は十分ある。
前走はスタートで出遅れたものの、2番手の位置を取って競馬を進めた。直線に入ってから抜け出すと後続を寄せ付けることなく勝利した。前のポジションを取れるのは今回は前走以上にプラスに働くだろうし、上位争いに加わってくるために必要だと思う。
ただ、前走で上りの脚がメンバー3番手以内ではないのが引っかかる。新潟2歳Sの時期は上りのタイムが出やすい。出遅れて2番手に着けるような競馬をしたとは言え、上り32秒台や33.0秒の馬がいたなかだったことを考えると、今回のメンバーに入ると決め手を欠いているように感じる。今回は前のペースはそんなに上がらない展開になりそうなので、前走のようなスタートから前に行く競馬になると思う。直線の末脚勝負になった時、キレる脚がない分、後ろから来る馬に差し切られているような気はしている。
また、新潟2歳S以来の競馬になるのも不安。他の有力馬が約1か月の間隔で来ているのに対して約4か月の間隔が開いているのは、経験が浅い2歳馬にとっては実戦から離れすぎているのではと感じる。重賞勝ち馬なので心配はないと思うが、メンバーがこれだけ揃ったGⅠで休養明けいきなりでは難しいところがあるかもしれない。
△5番手 6枠10番 ダイヤモンドノット Cルメール
前走のGⅡ京王杯2歳Sはスタートから前に行って、直線で先頭に抜け出すと後続に詰め寄られることはなく1着でゴールした。同じように逃げた馬は、ゴール前で後ろから追い込んできた馬にかわされていたので、この馬の能力は相当あると思う。
今回も前走のように前に行く競馬になると思う。前に行く馬は少ないと思うので、すんなり前のポジションを取れるだろうし、自分のペースで競馬を進められるのでは。そういった意味で、今回のレースはダイヤモンドノットとルメール騎手がペースのカギを握ることになりそう。3走前と2走前では前から競馬を進めて、メンバー最速の上りタイムを出しているように、ペース次第では逃げても最後の直線で脚を伸ばすことは可能だと思っている。決め手を持っている追い込み勢は多いが、展開次第ではゴールを先頭で駆け抜けていてもおかしくない。
距離延長になるが、父ブリックスアンドモルタルは、アンモシエラやゲルチュタールなど距離が長いレースで走る産駒を輩出しているし、牝系にはダービー馬マカヒキの名前があるので心配ないとは思うがどうだろうか。
とは言え、前走からの距離延長は不安。京王杯2歳Sなども含めて、前走1400mから挑んでくる馬は、朝日杯FSとは相性があまりよくない。最後の直線に坂のある阪神競馬場だと、距離延長をしてくる馬は最後に脚が鈍る可能性があると思っている。
また、今回で6戦目というのも気になる。多く使えば経験値は他の馬よりも高くなるが、見えない疲れは溜まっているはず。
△6番手 5枠7番 コルテオソレイユ 川田将雅
5番手までにあげた馬の能力が抜けているように感じる今回、そのなかに割って入ってくるならコルテオソレイユかと思う。
前走のベゴニア賞は出遅れが響き2着だったが、上りの脚はメンバー最速を記録した。前々走も上がり最速を記録していて、今回は後ろから追い込んでくる馬が多いので、追い込み勢に混ざってしれっと3着という可能性はあると見ている。
特に気になるのは馬よりも騎手。騎乗予定の川田騎手は、今年の芝1600mGⅠで成績が良く、ヴィクトリアマイルはクイーンズウォークで2着、マイルCSはジャンタルマンタルで1着、今回と同じ舞台で行われた阪神JFではギャラボーグで2着と、今年は川田騎手が芝1600mのGⅠに出たらどんな馬に乗っていてもカバーしておくべきだと感じている。
また、朝日杯FSだけに絞っても、過去騎乗機会のあった10回で1着4回・2着1回・3着1回・4着以下5回と半分以上は馬券に絡んでいる。また、過去10年は人気馬や人気薄の馬にかかわらず、騎乗した馬を掲示板内の5着に持ってきていて相性のいいレースになっている。
ただ、今回は良いメンバーが揃っているので、厳しいようには感じる。今年6戦目というのも気がかり。夏の暑い時期に走っていて疲れは溜まっているように感じる。
また、人気になりそうな馬と比べると、後ろからの馬にしては決め手を欠いているような気もしている。ここ2走は上りタイム最速を記録しているので申し分ないと思うが、アドマイヤクワッズやエコロアルバが東京競馬場を走ったときの上りタイムと比べると少し足りないし、ダイヤモンドノットと比べると逃げた馬と0.1秒差というのは展開の差はあるにしろ少し物足りない。
決め手は上位馬と比べると差がある気がするので、あとは相性のいい騎手とのコンビでどのくらい差を縮められるかにかかっている。

